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プロローグ
ガレベーラがまだ公女だった頃、人々は言った。
あらゆる神の祝福を受けるガレベーラの人生において、最大の不幸は最愛の母と死別したことだと。
しかし、ガレベーラの人生における悲しみは、たったそれだけだったとも。
やがて、没落したガレベーラの身を憐れんで、人々は言った。
ガレベーラの身に起こった不幸に勝る不幸はそうないと。
晩年のガレベーラの語ったところには、こうある。
────何を不幸で、何を幸せと思うか、そのものさしは自分自身のなかにしかない。
そして、わたしの人生には悲しみよりも幸せの方がうんとたくさんあった────と。
※登場する人物名、名称、時代背景、生活様式、風習、文化等すべてフィクションであり、正確な時代考証に則ったものではありません。
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