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(再び~いざ、大清へGO!)
ロッキー山脈に朝日が昇る。
バラ色の光がロッキー山脈の屋敷を彩るころ、主寝室のベッドの上で大きな伸びをしたセイラが、瞬きをして目を覚ました。
横に眠る恒星に摺り寄ると、恒星の腕が強くセイラを抱き寄せる。
「おはよう、僕の可愛い奥さん」、耳元で囁く恒星の声が、ただ嬉しい。
「アナタの声が一番好き」、そっと彼の胸に寄り添うと胸に熱く唇を押し当てた。
「君が迎えに来てくれると信じてたよ」
「ありがとう」
恒星がまた、セイラの耳元で囁く。
何時もの幸せな朝だ。
「そろそろ清朝に戻って、八皇子達と決着を付けて遣らなきゃな」、セイラが言い出せずにいる言葉を、恒星が含み笑いを洩らしながら口にする。
「恵純公主が待ってるよ」
「そうね、そろそろ黒龍も唐の時代で修行させた恒潤を連れて、清朝に帰ってくる頃ですもんね」、うふふとほくそ笑む。
恒潤はたぶん、相当ひどい目に合ったはずだ。(恵純公主に相応しい男に生まれ変わっているといいのだけど。そうでないと、十三皇子の胤翔に殺されかねない)
「ありがと。アナタにそう言って貰えるなんて・・嬉しい」、セイラが涙を浮かべて抱きついた。
「一足先に行くって。向こうで待ってるって。聖也が昨夜、言ってたのよね」
恒星がクスッと笑う。
「おいで」、恒星がセイラを抱きしめて囁いた。
「さぁ、一緒に行こう」
二人は固く抱き合うと、龍神に引き戻して欲しいと願いをかける。
天空に龍神様が放った青い渦が現れると、二人の魂を再び大清へと運んでいく。
今度こそ、大清に永遠の別れを告げるために。
恵純公主を厳家に、お迎えするのだ。
「何て言っても、カノジョは恒星の大事なご先祖様だもんね!」
「どうしても厳家に嫁いでもらわなくっちゃ、恒星が生まれてこれないわ」
「行ってきます、銀河」
セイラの声が天空に響き渡った。
その頃、育児室では。
【銀河、遊ぼう】
山神様が上機嫌で遊びに誘う。
キャッキャッと嬉しそうに、無心に手を振り回す銀河君。
光がキラキラと天空で輝きを増す!
【凛子、早く帰ってこい。もっと銀河の弟と妹を産め!】、山神様の邪念が、ロッキー山脈に溢れだす。
ソレが乱反射して、ビックリするほど大きな輝く虹をつくったのだとか。
それを見た麓の村では、ロッキー山脈に異常現象が起こったと大騒動になったのだそうな。
☆彡・・それはもう、新聞にも載る様な騒ぎになったとか❕・・☆彡
★取り敢えずの 完! ★ (🌹・・続きはまた、Part・4でお目にかかりましょう・・それまで、しばしのお別れを・・)
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