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「これはエリザ嬢、今日はいかがなされました?」
「いえ、父が国王様にお会いするというので、わたくしもご一緒しました。王子に挨拶をと思い廊下を歩いてましたら、庭園にお姿があられましたので声をおかけしたのですが……お連れ様がいらしたのですね。失礼致しました。それではまた」
エリザと呼ばれる女性は申し訳なさそうに深々と頭を下げ非礼を詫びると、足早に庭園から出て行った。
「よろしかったのですか?」
「エリザ嬢とはいつでも会えますから大丈夫です。それよりそろそろ部屋に戻りましょうか」
王子はチエリーに合わせてゆっくりと歩き部屋に戻ろうとした……が、何やら周りが騒がしい。チエリー達は兵士が慌ただしく廊下を走るのを止めて騒ぎの原因を聞き出した。
「じ、実は城の近くでまた魔界の者が暴れていまして……」
兵士の話を聞くとどうやらこの近くに魔界の者が暴れていて、さっき会ったエリザも騒ぎに巻き込まれているらしい。
「またって以前にも魔界の者がこちらの世界でご迷惑を?」
チエリーは気になって王子に尋ねる。
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