お嬢様は我が道を進みます

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「嘘よ嘘、今の話は全部嘘だから。王子とのお見合いは暇つぶしって言ったでしょ?演技するの飽きたから本性をだしたのよ。魔獣が現れてくれて良かったわ」 「……そうですね。そういうことにしましょう」  チエリーは執事から離れて強気な笑みを浮かべる。執事もまた深く追求する事なく静かに微笑んだ。 「あー退屈だわ。何か暇つぶしになるような事はないの?」  チエリーはまたドカッと椅子に座る。 「また見合いでもしますか?」 「冗談言わないで。お見合いはもう懲り懲りよ。それとあの血の色の服、もう二度と着ないから」 「どうしてです?とてもお似合いでしたよ」 「あの服、動きにくいったらありゃしないわ。歩き難いし戦闘するのに不向きだし」 「そうですか。着物を着て戦闘するなんてお嬢様くらいですけどね」  執事は(から)になったチエリーのカップに黒茶を注ぐ。 「そうだわ。暇つぶしに今度は戦闘フェスティバルでも企画してちょうだい」  声高く笑うチエリーの姿を見て、執事はいつも通りのチエリーの姿に安心感を覚えるが、また面倒な日々がやってくるなと確信を持つのであった。             ー END ー
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