お嬢様は占いを信じます

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魔界(うち)の令嬢がご迷惑をおかけ致しまして申し訳ございません。被害はすぐに修復させます」  執事が呪文のような言葉を放ち片手を空へ向かって上げるとほんの一瞬だけ世界が闇に包まれた。暗闇からパッと元に戻るとチエリーに破壊された建物は修復されており、怪我をした兵士達の傷も回復している。 「い、一体何を……」  この場にいるチエリー以外の人達は何が起きたか分からず、キョトンとした表情になっていた。  執事は次にチエリーが欲しがっていたサンドウィッチを販売している店に向かって歩き、店主に頭を下げる。 「店主、魔界(うち)の令嬢がご迷惑をおかけ致しまして申し訳ございません」 「あぁ、ビックリしたよ。買いに来てくれたのはありがたいけどサンドウィッチがちょうど売り切れちゃってさぁ、その事を伝えたらあの姉ちゃん急に暴れ出すし。手に負えなくて城の兵士達を呼んじまったよ」 「令嬢はここのサンドウィッチがお気に入りでして、食べられない悲しみを戦闘で表現したようです」 「そ、そうかぁ?楽しそうに攻撃してたし、全然そんな風には見えなかったけど。まぁいいや、暴れるくらい食べたいのなら今から作ってやるよ。ちょっと待ってな」  店主が店内に戻ること20分、令嬢のためにバスケットいっぱいに色んな種類のサンドウィッチを用意してくれた。
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