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お嬢様は占いを信じます
「さぁ、わたくしの前に這いつくばりなさい」
甲高い強気な笑い声とともに戦いの最前線で兵士達を次々と倒していく女性がいる。
彼女の名前は『チエリー』。魔界の頂点とも言える闇皇帝の一人娘のお嬢様なのだが、見ての通りめっちゃ強い。長い髪をツインテールにして見た目は守りたくなるような可愛らしさがあるものの、自分に歯向かう者は親だろうと容赦しない。
そんな令嬢は現在、魔界とは別の平和感が溢れる地の世界で暴れ回っている最中だ。もちろん目的があってこの地の世界へやって来たのだが、何か気に入らない事があったのかご立腹モードだ。
「お嬢様、そろそろ魔界へ帰りましょう」
暴れ回っているチエリーの隣に眼鏡をかけ執事の格好をした男性がスッと並び話しかけた。
「執事、何言ってんの。まだ私の気が済まないわ」
チエリーは戦い慣れした様子で笑みを浮かべ、指先から青黒く光る魔法のような妖術をガンガン仕掛ける。
「しかし、こんなに派手に暴れたらこの地の世界との友好な関係が壊れてしまいます」
どうやら執事はチエリーの暴走を止めようとしているみたいだ。
100年程前は地の世界VS魔の世界で常に戦っていたらしいが、時が経つにつれ「大体我々はなぜ争っているのか?」と議論し合うようになり、その結果「戦いは無意味である」となり、そこから二つの世界の友好的な関係が生まれ、今では簡単に地の世界と魔界の行き来ができるようになっていた。
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