(三)

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(三)

 白沢正義は電話を切ると、それをスーツのポケットにしまった。法子が川居警察署の監査を終えて帰った日の退勤間際のことだった。  電話の相手は今和泉先輩であった。先輩から法子の件を伝えられた。以前から法子の行動がおかしいと先輩は考えていたようで、独自に彼女を調査していたのだ。 「法子は北方組と接点がある」  それが今和泉先輩の結論であった。  法子の履歴について、公的な書類上は特に問題はなかった。もちろんそれで問題があれば警察庁に入庁する際の身元調査で判明し、入庁できなかったはずだ。 (続く)
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