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「何かの捜査か? 監察課なんだからそんな権限ないだろう」
「ただの興味本位よ。組長が不在のまま組織が存続している組ってあり得ないじゃない」
そう言うと、法子はテーブルの上に身を乗り出し、小声で続けた。法子の大きめな胸がテーブルの上に乗っかった。少しきつめのブラウスのボタンが圧力で少し引っ張られているように見えた。
「近々、おたくへ監査に行くかも」
やはりそちらか。本来は県警本部から監査が来るはずだが、警察庁から来る事例がつい二ヶ月前にあった。熊井市の南に位置する喜多元市にある喜多元警察署に警察庁の監査が入ったのだ。前例のない事態で、川居署内では署長と副署長が慌てていた。
(続く)
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