濁った眼

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倒れていた?俺が。 「あなたは自分の部屋で倒れていたのよ。」 「用があってあなたの部屋に行ったら、床に倒れてるのが見えて。」 あの暗い部屋は俺の部屋だったみたいだ。 「ここは病院だろ?なんで暗いんだ?」 「和人、あなたに言わなきゃいけないことがあるの。」 何を言うつもりなんだ。 頭がおかしくなったとでも言うつもりか。 「先生、お願いします!」 「お母様、私から和人くんに説明致しますので、一度席を外して頂いても?」 渋みのある男の声が聞こえる。 この人が先生か。 「わかりました。それでは先生、お願いします」 扉の開く音がして、母さんは部屋を出て行った。 「さて、和人くん。私は黒坂。  この病院の医師だ。目覚めたばかりで悪いが、君に話さなければいけない事がある。」 「君にとっては受け入れがたい酷な話だろうが 聞いて欲しい。」 そう言って医師は俺の肩に手を置いて。 告げた--
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