第七章 聖衣と水晶の剣

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 近いな……剣の波動が強い。  レナスは抜けきらない睡眠薬で痛む頭を振る。松明の灯を照らしながら捜索を続けるうち、辺りが白み始めた。  闇を照らす先で、青みを帯びた光が仄かに輝いた。  木陰で、子供たちが眠っている。  10歳位の女の子とまだ小さな男の子が二人。姉弟だろうか。そういえば、レナスが初めて大聖堂を訪れたのもこんな年頃だった。  寒いのか、毛布にくるまっている。やけに豪華だ。  海よりも青い鮮やかな麗しい色、柔らかで撫で心地のよさそうな上質な布、王族が纏うマントにも似ている。微笑ましい光景に頬を緩めていたレナスは、我に返った。
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