第七章 聖衣と水晶の剣

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 青い光源はその毛布だった。いや……毛布ではない。  足音を忍ばせ、レナスは姉弟の寝床に近づいた。布には銀の刺繍が施されていて、神業のように美しい。  少なくとも、この国の装飾技術ではありえない。  そして、貝と思しきブローチには見事な彫刻が彫ってある。三本足の獅子。女神エルガーテの紋章だ。  女の子の枕元には、開かれた箱が置いてある。  レナスが懸命に守ろうとして、海に呑まれたあの箱だ。  すると、この布が……エルガーテの聖衣なのか……。
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