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~エピローグ~ 新たな御伽話
……イザの町に孤児院が出来たのは、それから一年後のことだった。
前の神官は国家を揺るがす罪を犯したらしかった。しかし、脅されたうえ関りは薄く、今は許されて他所の町で暮らすという風の噂だ。
少女は、二人の弟の手を取り、孤児院の庭で遊んでいた。
時折、不思議な布を思い出す。海岸で拾った古びた綺麗な箱が、鍵がついているのに、ひとりでに開いたのには驚いた。
触れるととても暖かく、優しい春の匂いがした。何故か朝になると、箱と布は消えていて、いくばくかの金貨が置いてあった。
女神さまは、きっとどこかで見ていて下さる。
そう仰る神官様は優しいし、戦争もいつか終わるだろう。
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