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25年後、萩尾雄介の娘萩尾塔子は35歳になった。
週間太陽の編集者をしている。
太陽新聞グループの雑誌なので、報道規制が多い。
女優白川かおり26歳と俳優水野タケル34歳の不倫を追っていた。
二人はドラマの共演から不倫関係に陥った。
「萩尾、白川かおりと水野タケルの記事は無しだ。」
編集長二谷正晴51歳が塔子のデスクにやって来た。
二谷はバブル期の石田純一のプロデューサー巻きのカーディガンに白シャツ、ジーパンで白髪混じりのメタボだ。
「来月号の目玉です。
私の記事を出して下さい。」
ショートボブにグレーのパンツスーツの塔子は二谷に強く訴える。
「太陽新聞直々の命令だ。
萩尾、諦めろ。」
コーヒーを飲む二谷。
「理由を教えて下さい。
私は、納得出来ません。」
強い口調の塔子。
「萩尾、13年目だろ?
新人じゃないんだから、熱くなるな。
大人の事情だよ。
じゃあな。松江庵に昼飯行くわ。」
編集部から去る二谷。
二谷の後ろ姿を見つめる塔子。
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