そして誰もいなくなる

「白川かおりと水野タケルの不倫の潰され理由が分かった。」
泉はキッパリ言い切った。
「白川かおり、自由党幹事長白幡健司の愛人。
白幡は政界のドンだから。」
泉はコーヒーを飲み干す。
「泉、週間太陽にいる限り、私たちは読者に真実を提供出来ない。」
塔子はハッキリ言った。
「確かに。
でも、うち大手だし、給料いいし、なんだかんだ恵まれてるよ。」
笑顔の泉。
「実際そうだけど、メガトーキョーも記事になるか分からない。
四菱グループと提携してるし。
加山にしきの脱税は記事になるだろうけどね。」
淡々と語る塔子。
「必ずしも真実は明かされない。
大きな組織にいる必然。
世の中、忖度や圧力で溢れている。」
ハスキーボイスの泉。
「分かってる。
30過ぎた大人だし。
世の中どうにもならないことだらけ。
でも、私は闘いたい。」
冷静に語る塔子。
ハイライトに火をつける泉。
東京タワーをみなから、タバコを吹かす。