そして誰もいなくなる

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「平川の自殺、汐留エージェンシーが噛んでる可能性高いわね。」 塔子が強く主張した。 「平川の自殺以来、株価暴落、大物タレントの六本木広告社のCMが次々差し替えられた。」 塔子は続けて言った。 「汐留エージェンシーは限りなく、黒に近いグレーだ。」 三谷はサラッと言った。 「詳しく取材しますか。」 春樹が続いた。 「まぁ、汐留エージェンシーだから、かなり難航必須ね。」 玲子はクールに言った。 「まさに。」 バイトのひとみは言った。 花柄のGUのワンピースを着ている。 「でも、ニッポンのタブーなのよね。 内部の人間は口割らないし。」 塔子は苦悩の表情を浮かべた。 「萩尾さん、いいアイデアがある。」 三谷は自信満々に語った。 「何?」 「ひとみちゃんをインターンで潜りこませる。いわゆるスパイ。 確か来週から募集。 インターン期間は3週間。」 三谷は早口で話した。 「ひとみちゃん、出来る?」 塔子は尋ねた。 「やってみます。」 ひとみは丁寧に話した。
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