カルーアミルク

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419cbeac-aee6-4542-8c13-1d6865b9dd17「ねぇ、この辺でどこか雰囲気の良いバーとかないの?」  大学の同級生、川島美奈(かわしまみな)だ。 「バー?」 「昨日ドラマでバーのシーンが出てきて、雰囲気がすごく良かったのよ。カクテルとか好きだけど、今までに行ったのなんて、新入生歓迎の居酒屋とかせいぜいだし、どっかないかなって」 「ドラマに影響され過ぎなんじゃねーの?」  俺は考えた。 (あっ、そういえば……) 「――ないこともないけど……」 「本当?! ねぇ、どこどこ?」  目をらんらんと輝かせる川島とは対照的に、目があっちこっちへと泳ぐ俺。 「……オカマが経営している小さなバー」  俺がぼそっと答えると、川島は目をぱちくりさせ、沈黙した。 (……まあ、初めての奴はひくよな)  俺がそう思った時、 「なんかおもしろそう。せっかくだから連れて行って!」 「お、おう」  今度は俺の方がびっくりした。  そうくるか……って。
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