黒い檻

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彼らの内、考える力のない彼をA、お花畑の彼をBと呼称しよう。 Aは小さな檻から出ることができた喜びを噛み締めていた。 だが、近くにあった他の檻には怪物が潜んでいた。 怪物はAに対し、甘い言葉をかけてきた。 「考えるのをやめた方が楽に生きれるんじゃないの?君は考えても無駄なんだから」 Aは危うく怪物の言葉に従いそうになった。 だがAは従わなかった。 Aは怪物に小さな嘘をついた。 「僕はあなたの言うことに従います。でもBだけは助けてあげてください」と。 怪物は言った。 「俺と一緒に楽になろう」 Aは、Bに後々降りかかる災いを心から喜び 怪物のいる檻に入っていった。
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