第2章 物語通りに進めます

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 あれ?カップは?私は紅茶を浴びせられるのではなかったのだろうか……。  何度見ても、紅茶はカップに収まってテーブルの上に乗っている。  そして、この指遊びは何!?  ひとつまみの毛先をクルクルいじっているトーマ様。  わたくしはカチンと全身が硬直した。  この甘い雰囲気は、一体なんなのでしょうか――。  たぶん、いやきっとトーマ様はいやいややっているに違いない。溺愛している振りをしているだけで、見せかけなのだろう。  断罪前の最後の情けなのかもしれない。  だってわたくしは、リオの記憶の物語通りに、今まで行動してきたのだから。  ――3日後にトーマ様から断罪されるのは明確だ。
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