536人が本棚に入れています
本棚に追加
/51ページ
本来なら、直ぐに「楽にせよ」と言われ、話ができるのだが、なぜかおふたりとも反応して下さらない。
どうして……?
わたくしはいけない事だと思いながらも、恐る恐る祭壇の上のおふたりを見上げた。
「――っ」
その顔を見て、思わず息を飲む。突き刺さるような冷たい視線だ。
さっきまで祝いだと感じていた周りの視線も、同じように私の背中に突き刺さっている。
一体何が起きているの?
「レティシア・ウィルド、貴様にはこれまでの行いを償って貰う。私の慕うサラ・アルテニー嬢にした数々の行い――決して許されることではない。よって……私との婚約を破棄、その上国外追放とする」
楽しくなるはずの誕生日パーティー。
主役のはずのわたくしは、愛する人から見放され、断罪された――。
最初のコメントを投稿しよう!