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第4章 断罪パーティー?
とうとうこの日がやって来てしまった……。
わたくしは朝から身だしなみを整えるために、沢山のメイドに囲まれていた。
湯浴みをしてマッサージを受け、爪の先までピカピカに磨いてもらう。そして、あのドレスに袖を通した。
「お嬢様、とてもお似合いですっ!」
お世辞にも、そう絶賛してくるメイドたち。
そんな彼女たちの手によって、わたくしはめいいっぱい飾り付けられた。
黒地のレースをたっぷり使って、腰からふんわり広がるドレス。胸元には薄い紫と水色のリボンで作られた花が散りばめられている。
色素の薄い水色のストレート髪は夜会巻きにされ、頭に固定されていた。そのせいで、元々のつり目が更に上がったように感じる。
――悪役令嬢の完成だ。
わたくしは今日、ついに断罪される。7年間、この日のために頑張ってきた。
パーティー後、すぐに出られるように荷造りは済ませて、クローゼットに隠してある。
お父様やお母様――、トーマ様と離れて国を出るのは少し寂しいけれど、これは仕方の無いこと……。この家ともお別れだ。
支度をしてくれたメイドにお礼を伝えて、お父様とお母様と一緒に我が家の馬車に乗り込んで王宮に向かった。
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