エピローグ

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 物語通りだけれど、サラ様に意地悪したのは事実だ。悪役令嬢と言ってしまった事を誤魔化すようにそう言う。 「どこが悪さだって?優しさたっぷりだったじゃないか」  そう言って、トーマ様は私の行動を上げていく。  中庭で足を出したのは、その先にある花を踏まないようにする心遣い。お茶会でお菓子を別にしたのは体調が悪いサラ様を気遣ってのこと。  どうして知っているのか分からないけれど、まるでその現場を見られていたみたいだ。 「でも、わたくしおふたりで仲良く話しているところで癇癪を起こしましたわ」 「癇癪ねぇ……あの時のレティは可愛かったなぁ」  わたくしの欲しい返事とちがう! 「あの時のサラ嬢はね、キミにお礼を言っていたのだよ。レティのことを尊敬していると……でも、直接レティに声をかけてしまうと、迷惑になってしまうから、婚約者である私から言って欲しいと言われてね」  まさか、あの時言われたことは本当の事だったの?誤魔化すための嘘だと思っていたのに。 「で、でも……」 「レティ?キミは私との結婚はしたくない?」  そんなの、聞かれなくても本当はしたいに決まっている。  大好きな初恋の相手で一番の推し。
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