第1章 わたくしの記憶

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 そしていじめはレティシアひとりでやっていたことの為、言い逃れができない。  その行動をしてしまったキッカケは、彼女がトーマの事を好きすぎたから。  だけど、そのいじめは決して許される内容ではなかった。  そして、リオの記憶の中でも、断罪されるシーンだけはもっと鮮明に記憶に刷り込まれていた。 「ウィルド侯爵家のレティシア様がいらっしゃいました」  会場の扉を守っている騎士がそう中に呼びかけると、会場に居た全員がわたくしに視線を向けた。  その視線全てが、わたくしを祝っているのだと思うと嬉しいく感じる。  これは、誕生日パーティーだ。これでもかと言うくらいに着飾ったわたくしは、今日の主役。  通常のパーティーは、婚約者にエスコートされて会場に入るけれど、今回はわたくしが主役なので1番最後に登場して欲しいと言われている。  そのため、控え室からひとりで会場に向かった。  凛と正面を向き、わたくしは1番奥の祭壇に居るトーマ様の元へ優雅に歩きだす。  もちろん、周りにいた人達はサッと私の通る道を作る。そのため、一直線に向かうことが出来た。  祭壇の上にはトーマ様と、トーマ様のお父上であるこの国の国王様が居る。
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