傷跡が消えるまで

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A:『そう言えば答え聞いてなかったけど、俺の事いつから好きだった?』 B:は? A:『前に聞いたじゃん。でも、教えてくれなかった…。 だから知りたいんだけど?』 B:別にいつからだっていいだろ。 お前の事好きな事にはかわりないんだから。 お前こそ…お前こそいつから気づいてたんだよ、俺の気持ち。 A:『………それ、答えたら俺にも教えてくれる?』 B:……それとこれとは話が違うだろ。 A:『ちがくない!ちゃんと聞きたい。知りたい。お前の事も…ちゃんと』 B:………ったく。そういう事は譲らないんだよな、お前。 昔からかわんねよな。自分の気持ちに正直というか…ワガママと言うか…。 わかったよ!話せばいいんだろ! A:『うん』 B:お前さ、小学生の頃学校の木から落ちたことあっただろ? A:『ああ…確か3年だったっけ?下りようとして、足滑らせて…』 B:うん。俺の見てる前で落っこちて…。 A:『そうそう(笑)運悪い事に落ちた所に石あったんだよな。 頭と腕切って…血すっげ出て…その血の量見て俺気失った…。 え?ひょっとしてあの落ちた時から?』 B:うん。腕はまだ、傷痕残ってるだろ? A:『あー確かに残ってるけど、もう随分薄くなって、 ほとんどわかんねぇけど?』 B:……俺のせいだから、お前のその傷痕。 A:『え?』 B:俺がお前の事からかって煽ったから。 A:『確かにそうだけど、でも、俺がどんくさくて落ちただけじゃん』 B:でも…俺が煽らなかったら、あの頃のお前は登ったりしなかった。 A:『あの頃の俺って…なんかバカみたいじゃん、その言い方』 B:………あの日、先生に状況聞かれて、すっげ怒られて…。 家帰ってからも母親鬼だったしさ。 お前の両親だけだったよ、お前がどんくさいからだって笑ってくれたの。 次の日学校行ったら、クラス全員に無視されるし。 A:『え…そうだったんだ。全然知らなかった』 B:女子なんか酷かったぜ?俺のせいだって完全無視。 まぁ、そのせいでお前実は女子にもてまくりだったって知ったんだけどさ。 A:『え?そなの?なんかやたらと話しかけてくる女子多くなったなって 感じはしてたけど…』 B:そうそうそれ。まぁお前が復活してきてからは、 あからさまなのはなくなったけど、ほんと酷かった?さすがに参ったわ。 A:『へぇ…知らなかった。話してくれたらよかったのに…』 B:話せるか、バカ。 A:『で?』 B:で? A:『続き。落っこちて…それから?』 B:ああ…まぁ、簡単に言えば責任ってほどじゃねぇけど…、 その傷のせいでお前が辛い目にあわないように側にいようって。 お前に誰か好きな人とかできるまで、俺がお前守ろうって思った。 まぁ、いつの間にか好きなってたんだけどさ。 A:『あるあるだけど……小3だよ?それから…何年?ずっと? もしさ、俺がお前の事好きにならなかったり、 お前の気持ちに気づかなかったらどうするつもりだったわけ?』 B:別に…もともと告る気もなかったし?まぁ…成り行きでこうなったけど、 お前が他の誰か好きになったんなら、それはそれでいいかって。 現にお前先輩好きになってたじゃん。 A:『あー確かにね』 B:お前がさ、自分の好きな人と一緒にいられて、 その傷のせいで泣いたりしなければいいって。 A:『……ほんとに?』 B:何が? A:『ほんとにそう思ってた?お前の気持ちは?』 B:…何が言いたいんだよ。 A:『だってさ、好きになった人の事、俺ならそんな風に思えない。 ほんとの事言えよ』 B:………チッ(舌打ち)わかったよ!ああ、お前の事好きって気づいてからは、 お前が他の誰かの話するたびに嫉妬してたよ! 何で俺じゃないんだ?って。 いっそ告って…って何度も思ったわ! でも、お前との関係壊したくなかったし… お前の側にいられなくなるくらいなら、このままでいいって…。 A:『お前さ…俺には告って木っ端微塵になんてけしかけたくせに、 自分はなに?バカなの?』 B:は?お前にはバカって言われたくねぇわ。 A:『その時言ってくれてたら、こんな遠回りしなくて済んだのに』 B:別にいいだろ!今こうやって一緒にいれんだから。 それより、お前は?いつ、気づいたんだよ。 A:『ん?俺?俺は…高校受験の時かな?』 B:高校受験? A:『そ。お前さ、わざと俺と同じとこ受験したでしょ?』 B:あ――― A:『その時にもしかして?って思った』 B:…………… A:『おじさんとおばさんになんか言われなかった?レベル落としたわけじゃん?』 B:言われた。 A:『よく許してくれたね?』 B:許してくれた…と言うか、勝手にすればって呆れられた。 とりあえず親の義務として高校までは行かせるからって。 A:『じゃあ、大学は?あれ?バイトしてたっけ?』 B:お前ね…俺の頭なめてない? A:『え?頭って…え!?ひょっとして奨学金? だってうちの大学条件厳しいって有名じゃん!』 B:だからーなめんなって言ってんの! A:『マジか………』 B:まぁ…俺もさ、お前と一緒にいるためにそれなりの努力はしてるってわけ。 わかった? A:『…その言い方…俺がバカみたいじゃん』 B:ん?バカで可愛いけど? A:『お前ね!!』 B:っと!殴んなよ。痛いだろ?それより、傷、見せて? A:『ん?もうほとんどわかんねぇよ?ほら』 B:ん…子供の頃の傷は残りにくいから…でも、やっぱわかる。俺には。 A:『そりゃそうだろ…お前傷の場所わかってんだから。 初めて会ったヤツなんかは全く気づかねぇし、 俺ももう気になってねぇから、お前が気にする事ないって』 B:………なぁ。 A:『ん?つーか、なにじっと見てんの?』 B:傷跡にキスしながら、お前のしごいていい? A:『は?何言ってんの?お前バカ?わけわかんねぇわ!離せよ!』 B:俺がこの傷に触れたら、欲情して俺の事欲しがるようにさ。 A:『バ、バカか、お前!!んな事できるわけねぇだろ!』 B:じゃあ…やってみる?ちょうどお互い裸だし?逃げんなよ、ほら! A:『は、離せって!!』 B:お前ね…逃げれると思ってんの?俺から。 ほら、おとなしく腕出して、足広げろよ。 A:『嫌だって!!』 B:ダーメ。できるかできないか試す。 A:『も、もし…そんな風になったとして、街中でなったらどうすんだよ!!』 B:街中で?いいじゃん。即ラブホか…路地裏で… 人に見られるかもっていう状況でしてやるけど? A:『バ、バ、バカか!ありえねぇわ!!変態!!ド変態!! 離せって!離せーーーー!!』 B:(笑)お前…ほんと可愛い。 お前の行動なんて、全てお見通しなんだよ! あの日…木から落っこちた以外は全部…。 だから、ほら…素直になれよ、少し気になるって…。 A:『き、気になんかなってない!!』 B:ま、お前が嫌がることは基本したくないし? ほら…シャワー浴びて服着ろよ。 じゃないと…本気で欲情するようにしてやる。 A:『ド変態!!くんな、バカ』 B:お前に変態とかバカって言われたくねぇわ(笑) A:『うっせー!!変態バカ!!』 B:好きだよ? A:『な!?な、なに?きゅ、急に…なんだよ』 B:お前の事、大好きだよ? A:『…………お、れも…す…』 B:俺も?なに?ちゃんと言えよ A:『………(超小声)俺も、好き…』 B:声ちっさ! まぁ、いいわ。俺優しいから、それで許してやる。 ほら、身体起こせる?シャワーしよ?一緒に。 A:『それは…やだ』 B:なんで? A:『身体洗ってやるとか言って、またしようとするじゃん! も…無理だし…』 B:ん?そうだっけ? だって一人で入ったらお前ちゃんと洗わないじゃん。 A:『ちゃんと洗ってるって!』 B:じゃあ、キスさせて?させてくれたら、一人でシャワーしていいよ。 (煽る様なディープキス) A:『ん…ん、んんっ!』 B:ん?どした? A:『お前…わざとだろ!』 B:なにが?(ニヤニヤ) A:『くそっ!意地でも一人でシャワーする!』 B:ひとりで立てるんならな? 意地張ってないで、素直に言えば? 立てないからシャワーつれてってくださいって。 A:『嫌だ!絶対言わない!』 B:はいはい。いいから、行くよ!よいしょ。 お前…相変わらず細いし軽いな。 時々不安になるんだよな、お前の見てると A:『不安?』 B:うん。俺の突っ込んでガンガンに攻めたら壊れるんじゃ?って A:『バ、バカか!お前、俺の事いつもそんな風に見てるのかよ! もういい!下りる!下ろせ、バカ!変態!』 B:お前ねぇ…好きな人の事そんなボロクソに言うか?普通。 そこまで言われて俺が大人しく引き下がるって…まさか思ってねぇよな? 2度とそんな口聞けないようしてやるから。 A:『え!?え!?ちょ……ご、ごめん!ごめんて』 B:ダーメ。今夜から楽しみ増えたわ。覚悟しとけよ?
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