箱庭

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 深い深い闇の中。    それがオレの1番最初の記憶。 「おめでとう!No.10352。君は10352番目の成功体だ。 そして君は、数多の兄弟たちの頂点に立つだろう。 No.10352・・・っと、失礼。 もう君はナンバーズではなかったね。 君に名前をあげようか。 君に相応しい名は・・・ふむ、バーテックスが良いな。 異国の言葉で頂点という意味だよ。 バーテックス・・・は、ちょっと長いからバートにしよう。 よし、今日から君の名はバートだ」  そして闇の中で禍々しく光る赤い瞳と耳障りな声。  そう言えば、ヤロウは最初からペラペラとくだらない無駄話しが好きだったな。  ヤロウの名はファウンダー。  オレはファンって呼んでいるが、父様とかマスターとか呼んでるヤツもいる。  ヤロウが魔素(まそ)を集めてオレたちを創ったって話しだから、あながち的外れな呼び方でもないんだろうがオレはゴメンだ。    これがオレの1番最初の記憶であり、深く暗い闇への旅の始まりでもあった。
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