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「終わり終わり。早く帰ってシャワー浴びよ」
言いながらアキは返り血でボトボトに汚れた黒いコートを脱ぎ始めた。
このコートには特殊な繊維が織り込まれていて、一応は耐刃、耐弾仕様になっている。
ま、アキにとっては、お気に入りの服を汚さないためのエプロン程度のモノ、くらいの認識だろうがな。
「おいおい。
まだ連中が出てくるかもしれないのに・・・
アキ!跳べ!!」
オレが言い終わるより早く、弾かれる様に跳躍したアキの背後から銀色の閃光が弧を描く。
斬撃をかろうじて躱したアキはオレの横に着地した。
「あッぶねー。
あー!!スカート切られた!お気に入りだったのに〜!
このゴリ〜ラ!今すぐバラバラにしてやるから待ってなさいよ!」
アキはこう見えても、最強と謳われるオレたち一族の中でも、ずば抜けた戦闘力を持っている。小柄な彼女は抜群の身軽さと反射速度を持ち、その上破壊力も上の下ランクだ。
で、アキがゴリラ呼ばわりしたコイツは、オレたちに対抗する為に人類が生み出した、白騎士と呼ばれる戦闘員だ。
「チッ、やはり来やがったな」
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