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「あんた、調理師なのか?」
「いや、私たちの食事会は基本的に生で食べるんですよ。だから調理はしないから、食材に対してはこだわりたくてね。ただ,今回はいつもと違ってたまには調理したもので食事会をしようって話になっていて」
なるほど、生で食べて食材本来の味を楽しんでる奴らなら舌は肥えているだろうな。
「分かった。俺が知っている範囲で協力しよう」
「それはありがたい。宜しくお願い致します」
俺はこの得体のしれない男に、食材のおススメの産地をいくつか教えた。男はメモを取りながら満足そうな表情を浮かべている。
「お礼にあなたをその食事会にメインとして招待しますよ。一年後の今日、この近くでやるんだがどうですか?」
えっ、招待してくれるのか。きっとさっき紹介した食材が並ぶんだろうな。一年後ってのが引っかかるが、このチャンスは逃せない。
「それはとっても嬉しい申し出だよ。ぜひ、呼ばれたいものだ」
男から時間と詳しい場所を聞いて、連絡先を交換してその場は別れた。
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