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桃佳ははにかむような表情をするとくるりとむきを変え、自宅の駐車場にとめられている車の横をとおり、玄関の前で再び振り返り軽く目があった。
パリでは『秘密の花園』と表現される瞬間。目があいお互い無言でも気持ちがつうじあったように感じる瞬間。
物理的に距離はあるが、心はすぐそばにいて、二人だけのときを過ごしたと、確認しあうには十分な一瞬。
桃佳の姿が見えなくなり、ドアが完全に閉まるまで見ると環希は車に乗り、エンジンをかけへッドライトをつけ来た道を帰る。
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