#1 無花果 figue
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海岸通り沿いにある、白いコの字型の家の前に花束を乗せた白いアメ車がとまる。 十月のこの時刻はもう、太陽が海のむこうに姿を隠しはじめ辺りは薄暗くなりはじめている。 「桃佳…」 環希は横に座る桃佳をそっと呼び、振りむかせるとやさしく頬を撫で身体を近づけ顔を重ね、すぐに離れ近距離で見る顔は、うつむき前髪で顔が隠れている。前髪をそっと指でよせ「…好きだよ…」とキスをすると外にでて助手席のドアをあける。
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