#1 無花果 figue
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黙り固まっている桃佳に手を差しだし誘い降ろすとヌーディーな色あいの花束をわたし、軽く腰に手をまわし車道から内側へ、玄関へと並び歩く。 「……あのぉ〜…見られたら…恥ずかしいので……そのぉ……」 「…ん? なにが?」 環希の足は止まり、うつむく顔を覗き込むように両腕を軽く持ち屈み、顔を少し傾ける。 腕から手は離れ花束を持つ手に添えしゃがみ、上をむきあわない目を見てあわせようとする。
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