一つ目の約束

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一つ目の約束

先程の公園から割と近い場所にある内装が広く開放感のある洒落たカフェにやって来た そのカフェはペット同伴が許可されている場所だ 彼らはテラス席に座りメニュー表を手に取る 音無が席に座るとその隣りで大人しく床に座り込む大型犬 名前はマリア ちゃんと躾されているのか無駄な動きや吠えることなく大人しく、よく相手のことを見ている。そんな賢い犬だ。 朋也はマリアの頭を優しく撫でると雄也たちと向き合う 3人は簡単に自己紹介を済ませるとみんな同い年であることがわかり、次々と話しは盛り上がっていった 「さっきは…ホントごめん。ビックリした……よね。口調荒いし顔も怖いけど不器用なだけで」 「ちょっ、おい!雄也!!!余計なことは言うなよ!!!!!」 「んだよ、事実だろ!」 雄也の台詞に反発する蓮、二人は言い合いがはじまる。そんな二人が面白く見えた朋也はクスクス笑う 「お前は笑ってんじゃねー!!!」 朋也に向かって怒鳴る蓮だが恥ずかしいのか顔は赤く染まっている 「どうした?…、あー俺たちが『仲良さそうに見えたから』?あー、…一緒に住んでるんだ。そこの大学も一緒で高校からの付き合いなんだよ」 雄也は隣りの蓮をヨシヨシと宥めるように撫でながら朋也が打ち込んだケータイを見て笑いながらいう 「あともう一人いてね、そいつと3人で暮らしてる。バンドもしてるんだよ。この不器用な蓮はドラム担当で俺がボーカル」 雄也の言葉に朋也も "すごい!!!" とテンションが上がっている様子 「お前は音楽…好きか?」 蓮の言葉に朋也はクスクス笑いながらケータイを操作する 「んーと?……『僕も音楽好き、ピアノ触ったりする』ん?ピアノ弾けるのか?」 朋也がケータイに打ち込んだ言葉を読み取って話す雄也 朋也は少し恥ずかしそうに顔を伏せて小さく頷く "今度、雄也たちのバンドみてみたい!!!" 「もちろん、見に来て!!!その変わり、タイミングが合えば朋也のピアノも聴かせてよ!」 そうやって彼らは一つの約束を交わした
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