あの日の夢

2/3
16人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
「どんな夢だったんだ?怖い夢?面白い夢?悲しい夢?」 優しく語りかけるように雄也に声をかける悠 「……覚えてない、思い出せないけど、悲しかった……と思う。一生懸命…、何かに手を伸ばして」 ポツポツと話す雄也の頬に涙が伝う 「悪かった、ごめんごめん。辛かったな。もう大丈夫だよ、大丈夫!!」 静かに涙を流す雄也を悠が優しく抱き締める 「おい、はるー。雄也を泣かせるな。お前メシ抜き」 そう言いながら蓮は黒いエプロンを身に付けキッチンに立つ、夕ご飯を作るようだ 「えぇー!!!何で!?蓮のいじわるー!!、そんなんだから彼女できねーんだ!」 リビングとキッチンのちょっとした距離で言い合いする二人が少し可笑しく見えた雄也はクスクス笑う 「雄也?落ち着いた?、俺が…俺たちがそばにいるよ?怖くも寂しくもないだろ?…大丈夫だからな」 優しく声をかける悠に雄也は "ありがと" とこたえた 「テーブル片付けろー、今日はオムライスだ」 キッチンから蓮が雄也、悠に声をかける 「はーい、母さん」 「今、何つった、誰がママだ。はるー、メシとオヤツなし」 冗談で悠が言うと必ず言い返してくる蓮 「ホントお前らって仲良いよな。熟練夫婦みたいで息ピッタリ。そのまま付き合っちゃえよ」 「バカ言うな、そんな訳ないだろ。あんな我儘…じゃなくて、俺たち男だぞ??、オカシイだろ」 「お互いが想い合ってたらそれもイイんじゃない?」 雄也の言葉に少し動揺を見せるもこたえる悠 「ほう、じゃあ、お前はBとLもGとLの話しもアリって感じ?」 「………ん?BL?GLのこと?要するに」 「何の話ししてるんだ?コソコソ、隠し事か?」 小声で話す悠と雄也の間に入って来たのはオムライスを乗せた皿を3つ手にしている蓮 「ノーノーノー、隠し事なんて致しません」 「ふーーん、ヘンなの。まぁいつもの事だけど」 悠の言葉を気にとめることなく蓮は再びキッチンへいく 「まぁ価値観も受け答えも考え方も人それぞれだし。俺はそれも一つの道だと思うけど。どっちにしろ同じ "好き" であることに違いないし。」 「ほーー、ゆうちゃんのそう言うとこスキ」 「ありがとう!」 そう言い雄也はテーブルに広げていたのを片付け手に持つと自室へ持って行った 「何ボケっと突っ立ってんだ。ほれ、座れ」 入れ替わるようにエプロンを外した蓮がやって来る
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!