もう一つの顔

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雄也たちのギターや楽器を積んだ車に乗り込み 数十分したところの住宅街 綺麗な3階建ての一軒家に着いた 「着いたよ、我が家にようこそ!」 雄也が降りて朋也の手を引いて家の中へと入っていく 家の中は広く開放感のある作りだ 物が少なく整理されてより過ごしやすい 「まずは座ったら?何飲む?…お茶にしとこっか」 辺りをキョロキョロ見渡す朋也に雄也が笑いながら声をかける 朋也は自分の行動が恥ずかしいと思ったのか少し顔を赤くしてそっとソファに座るが落ち着かない様子だ 「ハーブティーにしたら?少しは落ち着くんじゃない?飲める?」 コップにお茶を入れようとする雄也の手を取って悠はハーブティーを入れる 「朋也、うちにあるもの自由に見てもいいし、楽にしてて!2階と3階が俺たちの部屋で1階が共有ペースなんだ。」 雄也はそう言うと防音室に入り悠、蓮と共にミーティングをはじめた 静まり返ったリビングでハーブティーを口にすると部屋をゆっくり見渡す (洋楽やクラシックに演歌に……、ジャズまで。幅広いCDがいっぱい) CDが何十枚も収容されてるボックスが瞳に止まった 朋也自身声は出せないが主治医である真尋も音楽が好きで趣味でヴァイオリンやギターを弾いてたりする 朋也は不意に歌いたくなって、そっと口を開けるも声は出ない。頬に涙が伝う どうして声が出ないのか、どうしたらいいのかわからなくなり首元に手を持って行き、その場に蹲る
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