二夜目

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二夜目

 私は、夢にてある一種の恐怖を覚えた。  自分は、常日頃から、狂人には会社が似合わず、狂人には女が似合うと思っている。きっと、自分がこのように捻くれるようになったのは、子供の頃の記憶のせいだろう。自分は、ふつうの家庭に生まれた。下に弟がいて、そして父と母がいる家庭だった。弟とは、あまり仲が良く無かった。理由としては、癇癪持ちの様にすぐに喚くしあまり頭が良くないと感じたからだ。引っ越ししてからは、同じ部屋になってだんだん弟の事が分かってきてからは、喧嘩もなくなった。母は、かなりキレイな人かつ家事もできて優しい昔風で言う器量良しの女性でよくクラスメイトに自慢したものだ。父は母に似合わずふつうの姿ではあったが、それでも母を愛し母に愛されていた。ゆったりとした空間が、いつも流れていたが、突然止まってしまった。父が事業に失敗し、職を解かれてしまった。父は一家で心中をはかった。そして、自分だけ生き残ってしまった。この様な事があって、自分はひねくれてしまった。  元に戻るが自分は、狂人でもなんでもないので、会社にも入らずぶらぶらしていた。しかし、働かなくてはいけないので、自分はある仕事をした。月のある日に女一人の家にお邪魔するというものだった。まぁ一晩の夢を提供する仕事である。ある日常連に呼ばれて行くと自分との子供が出来たと言う。自分は申し訳ないのとその女に付き添わなければならくなったことの恐怖感を感じていた。自分も、身を固め会社についた。子供が双子だった時は、大層喜んだ。それから子供が物心着く様になって来た時、会社で大きな仕事を請け負い失敗してしまった。  今夜一家で心中を図ろうと思う。
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