きらめく星に眠る

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 状況は刻一刻と悪くなっていた。地球はもうもたない。みんなが感づいていることだ。海水の温度の上がり方が尋常じゃない。南の島は多くが水没してしまった。暑い。タバコに逃げないとやってられない。 「政府からお達しがあったの」  おばあちゃんの肩がぴくりと動いた。 「うちのところに『列車』が来るのは十二月だって」  しばらく沈黙が続いた。 「……ふうん。年内に到着するとは思わなかった」 「そうだね」 『列車』は鉄道の形をしていることからそう呼ばれる。ロケットだった時は火星へ行くまで片道二年の長旅だった。そのため閉鎖空間で異文化間のトラブルが起きやすく、それぞれ国ごとで違うロケットを飛ばすようになった。いつの間にかワープが開発されて格段に便利になった今では、一瞬でたどり着けるわけではないけれど、ずいぶん短縮された期間で行けるようになったのだ。 「救助隊の連絡網で拾ってきた情報」  吐きだされた煙は畳の部屋の真上に広がり、特に上昇もせず、ふっと消えた。 「わたしが社会活動してるのは、こういうためだよ」  おばあちゃんはゆっくりとわたしに向き直った。くっと口の端を上げ、いつもの強気で皮肉屋な顔を見せた。 「それでこそ私の孫だ」    **
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