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「あの男は今までで唯一、この私が羨ましいと思ったやつでな…」
えへん。と偉そうなおじいちゃんに笑いそうになる。
「羨ましい?」
「容姿も好みだし仕事の仕方や今の地位も申し分ないだろう?
もし若かったら妬ましく思っただろうな」
容姿が好みって…
「おじいちゃんが?…そうなんだ…」
「だからな
あいつに私の後を継がせようと思ってる」
「えっ?だっておじいちゃんの会社は
お父さんの弟さんが継いでるんじゃないの?」
「一つだけだな。
一番世情に影響のない楽な会社だかな
ギリギリ…いっぱいいっぱいだ
あんなんではその他の会社はとてもじゃないが任せられない
今更世襲にこだわっている訳でもないしな
ただ愛着のある会社ばかりだ
本当は琴に継いでほしいが」
「無理!」
「ははっ。わかっとる。
だからな…欲を言えば琴の婿に継がせたいと願っていたんだが…」
はー!?
「むーりー」
「ほんとになー
琴に男の見る目はなさそうだー」
「うっ…」
「ははっ。」
笑えませんし何も言えませんー…
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