おじいちゃんの言う通り

12/32
前へ
/32ページ
次へ
何も変わらない日常に 実感がわかない 目の前にはにわかには信じがたい 彼と女の人が一緒に写っている写真の数々 その女性のプロフィール… 馴れ初めとかまで書いてあります … 専務であるお父さんの紹介なんだ… えー…出世とか興味ないかと思ってた… あー…でも女の人、妊娠したって言うから その責任を取る形なのかしら… …でもそれって…えー… 「琴。お前はどうしたい?」 おじいちゃんの言葉が頭の中でグルグル回る。 「琴の好みに合えばあいつと付き合ってみるのはどうか?」 「…は?」 「どうせもうこのままではいられないだろ?」 「このままって」 「今付き合っている男は琴とは違う女と結婚するんだ 琴は浮気相手になるんだぞ」 「浮気……えっ」 「私もな、あの男が早々に琴に別れを切り出せば こんな風に介入するつもりはなかったんだ でも… 一ヶ月後に結婚することは決定している 新しい住まいも向こうの父親が用意したようだ 残念だがあいつはダメだ… 諦めろ、琴。」 「おじいちゃん…」 おじいちゃんの気持ちは分かったけど … はいそうでしたって事は簡単には言えないよ… 私はどうしたいのだろう… このままいたら確かに私が浮気相手になるんだ…
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

203人が本棚に入れています
本棚に追加