おじいちゃんの言う通り

「昼ご飯を食べる」と言って連れてこられたのは
大きなホテルだった。

「こぎれいにして来い」とか失礼な事を言われて
ホテル内の高そうな服屋さんで靴までそろえて
着替えさせられた。

何処に行くのかとも口出せぬまま連れてこられたのは
バックヤード！？

ビックリしたのは
元カレの披露宴だったから

もちろん参加とかではなく
こそっと見る感じだけど…
テーブルを回ってろうそくを付けている所だった

思わず心の中で舌打ちをしたい気分だった。

「なんでこんな…」
「見ないと実感わかないだろ？」
「そんな事…」

タキシードを着た元カレと
フワフワのウエディングドレスを着た花嫁さん
「子タヌキみたい…」
そっか、あれに負けたのか…

「もういいよ、帰ろう？」
「顔を合わせなくていいのか？」
「必要ないよ」
後ろで楽しそうに笑いやがって

こっそりと会場を出る。
「こんなとこ入り込んで」
思わずにらんだけど
「ちゃんと了解は取ってあるから大丈夫だ」
だって。うへーいじわるか！