おじいちゃんの言う通り

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この後、おじいちゃんの所に 入籍をした挨拶をするはずだったらしい 隣で私を今にも食わんとしそうな男が 「面倒だから電話でいいか」 と、つぶやいて… 本当に電話報告で終わらせた 私はおじいちゃんに 「琴と祝いの膳を食べたかった」と 泣きべそをかかれて 「私もおじいちゃんに会いたかった」と 言った瞬間電話を奪われた… 「今度ジジイにそんな事言ったら 浮気とみなす」とか馬鹿みたいな事を 大真面目に言っていたから …マジで怖かった 取り合えず両親にも電話で連絡すると 「お父さんが選んだ人なのか そうか 琴…なんかごめんな。 幸せになりなさい。 父さんと母さんの事はもう気にしなくていいからな。」 と祝福してくれたような 突き放されたような… ちょっと落ち込みそうになったけど 隣で私の耳をハムハムとしながら 今にもしゃぶられそうな勢いで 静かなる戦いを後部座席で繰り広げていたせいで この事はすっかり忘れることが出来ました。
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