おじいちゃんの言う通り

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そうして、初めて彼がここに来た日 夜景を眺めている彼の顔を見ながら 様子をうかがう私… 「こんな所に住んでいたら 自分が偉くなったような気がしちゃうねー」 そう言った彼の言葉にドキリとした。 「そうだよね…」 「ん?」 「うん…実はね」って 私は素直に大学の時の失敗談を話した もちろんお金の事ははぶいてだけど。 「確かに、僕も自慢したくなっちゃうかもなー」 そう言って笑った彼に 私はホッとしたのだった。 彼はやっぱりしっかりと地に足がついている人だった。 変わらずにいてくれて嬉しかったんだ。 そうして通い通われしていくうちに 「管理費大変なら、僕こっちに住んじゃって 半分こする?」って提案に 管理費なんてないのに…「いいの?」なんて言ってしまったのだよねー 食費とかも半分こって感じで 彼がここに住み始めてもうすぐ半年がたつ頃 今まで何も言ってこなかったおじいちゃんに呼び出されたのだ
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