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そこでようやく僕は話の内容を理解した。
だけどなんて答えればいいの?
突然のことで頭が回らずそのまま無言でいると、荘真さんの下がっていた眉尻がさらに下がった。
「すまない、不快にさせてしまった」
僕が拒絶をしたと思ったらしい荘真さんは広い背中を見せ、僕から去っていく……。
待って、違う。違うんだ!!
慌てて手を伸ばし、彼の腕を引っ掴む。
「僕も好きです!! ずっと好きでした!!」
思わず大きな声で思いの丈を伝える。
荘真さんは振り返り、細い目を見開いて僕を見下ろした。
「夢……じゃないよな」
アーモンド色の目が僕を見つめる。
こくんと頷くと、
彼は僕が大好きな笑顔を見せたんだ。
**END**
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