37人が本棚に入れています
本棚に追加
1-1 死神と呼ばれる男
下の森林の中から、まばゆい閃光が襲った。 男はとっさに空中で体をよじり反転させた。 大きな光の塊が男の胸をかすめていった。 男の視界の端に同様の攻撃を受けた黒いバトルスーツの男が、まともに光を受けて体が蒸発するかのように消えていくのが映った。
「下だ! 全員気をつけろ!」 男はヘルメットの中のインカムを通して部下に警告した。 黒の男達は背負ったジェットウイングの噴射ノズルを加減し、体重移動で旋回すると光の発した方向へ急降下していった。 木々の中にうごめくものが見えた。 男達は森の中に銃撃を加えると、急降下を開始した。
木々の間から弓を引く複数の人影が現れた。 男達は黒の兵士達に一斉に矢を放った。 兵士達は空中で軌道を変えて矢を避けたが、矢は生き物のように軌道を変えて兵士を追った。 そして三人の兵士の腰や胸に突き刺さった。 三名の兵士はバランスを崩し、森の中に吸い込まれるように消えていった。
最初のコメントを投稿しよう!