1-1 死神と呼ばれる男

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 「グレイ、アリン、バッシュ、皆応答しろ!」 「グレイです。 バッシュは死にました。 ぐわっ!」 通信が切れた。 「グレイ、無事か!」 それに対して応答はなく、ディスプレイのナンバー9が赤に変わった。 気付いた時には、20名いた部下のナンバーは全て赤に変わっていた。 つまり誰も生きていないと言うことだった。 指揮官の男は激怒した。 (またか)  「許さない!」 男はそうつぶやくと、敵の中に飛び込んでいった。 ジェットウイングを巧みに操ると、アクロバティックな飛行で敵の攻撃をかいくぐり、手榴弾で次々と敵の拠点になっている建物を破壊し、銃撃で敵をなぎ倒していった。  30分ほど経った頃、百名以上いた敵兵のほとんどが倒れ、数名は森の奥に逃げて行った。 辺りが静まりかえると、男はあらためて無線で部下達を呼んだ。 だが、応える者は誰もいなかった。
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