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最初はうっすらと開けてくる視界にしばし茫然としていた。
頭を誰かに押さえつけられているような感覚で、口を開くのも億劫に感じるほど全身がダルい。
何をしていたんだっけ。
覚えてる、獣道すら無い山を登っていた。
そこから……そのあと……。
最後に読んだページを探るような感覚で記憶を辿っていく。
その時、今まで塞き止められていた記憶が脳内に流れ込み、全てを思い出した。
ー誰かに襲われたんだ。
記憶の濁流が、今まで体にのしかかっていた鉛を流し去っていく。
そして、反射的に少女は跳び起きた。
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