プロローグ

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プロローグ

捜査一課の自分のデスクで久しぶりの事務作業に没頭していると、不規則だけれど聞き慣れた音がすることに気づく。 朝から降り続く雨が少し強くなったらしく、窓ガラスに叩きつけられ、リズミカルに音を奏でていた。 結城は、帰りには止むだろうと折りたたみできる傘を今日選んできたが、スマホで天気を見る限り、夜中まで続く予報に変わっていて、失敗したと後悔した。 セキュリティの関係で、最近塞ぐ用になったパソコンのカメラの部分を見て、ふとスマホのカメラの部分にも付けなければいけないかな・・・と思っていた。 先日、浅霧さんが急にスマホのカメラにマステを付けてきたのをみて、僕らが関心を示した時に、甥っ子に教えてもらったと言っていたからだった。 探せば開閉できるケースに付いたタイプもあるそうなのだけど、どうせ使わないと言ったら、100円の店で見つけてきたと、貼ってくれたらしい。 浅霧さんは使わないかもしれないけど、班長はなぜか僕には画像付きでの会話を強要する。 浅霧さんといつも一緒にいるとは限らないのに。 どんよりとした空を眺めながらも、ここにいると自分以外の事で頭の中が占められていくので、今日はコンビニに寄って、好きなものを買って久しぶりに好きな映画でも見ようと思い立ったら、急にやる気が出てきたので、報告書をまとめることに集中した。 そして今日も、浅霧さんはいない。
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