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優しさと嘘②
今日は、友達とお茶をする約束の日。お昼前までゆっくり寝て、ブランチを済ませて身支度を済ます。日本初上陸のカフェで待ち合わせ。こういうおしゃれなお店が流行ってるんだな。なんだかもう多少のことでは感動しなくなってきちゃった。大人になったってことなのかな。
帰りの電車は混んでいた。目の前で爆睡している高校生。部活帰りで疲れているんだろうな。昔の私もこんなだったかな、と微笑ましくなる。
「ここ座ってください!」と勢いよく高校生が立ち上がる。
「えっ。あ、でも……」
「どうぞ。僕、次の駅で降りるので!」
「ありがとう」と言って、若者の厚意を受け取った。
だって、「いや、妊婦さんじゃないんです」って言ったら困らせちゃうから。でも、傷ついちゃったな。ダイエットしなくちゃ、はぁ。
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