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さっき、首筋に触れてみたときに、その状態が、体調の悪い人の体に手を触れている状態が何か、とてもしっくりくる感じがしたのだ。
頭に触れた手が、温かくなってくるのを感じた。
この感じ…この感じは…!
手を通して何かが流れ込んでいくように感じる、この状態を、僕は知っている!
これは…!
何かを掴みかけたとき、母親が意識を取り戻した。
30前後の若い母親だが、頭に触れる光の手の心地よさにうっとりしている。
しっかり目が開いたところで、光は手を離した。
「気が付きましたか?どこか痛いところはありますか?」
意識がハッキリしてきたからか、光が手を離したからか、母親は後頭部を押さえて顔をしかめた。
「あ、あなたは…?」
「隣の柏木です、お子さんがママを心配して泣いていたので…」
母親は普段から貧血気味で、時々激しい立ち眩みでよろけることがあったようだ。
今日も、目の前が真っ暗になったところまでは覚えているが、あとは記憶が無いと言う。
いつもならよろけても、意識まで失うことは無いので、しばらく蹲っていれば回復するのだが、どこかに後頭部を強く打ち付けてしまったようだった。
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