西の国のとある屋敷

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西の国のとある屋敷

*  ──例えばの話、だけれど。  そこは濃霧が広がる森の奥深くで、鬱蒼と茂った木々の合間を縫って進まなければならないとか。  はたまた崖の上に建つ古城の広大な庭の広がる敷地の端に隠れるようにひっそりと佇んでいるとか。  実は眼を見張るほど美しい秘密の花園の中心に違和感無くあるのだとか。  そんな嘘か真かわからぬような噂ばかりが囁かれている場所があったら。  "物語" を売っている店があるとしたら。  足を向けようと思う者がどれほどいるだろうか。
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