西の国のとある屋敷

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* * * ___________ _____ ______ _ _ _  ──私たちのどちらかが悪なのか、それとも。 「どちらも悪なのか、どちらとも悪ではないのか」 「……あんた本当、急に阿保さの露顕するようなこと言い出すのやめとけよ」 「あら、露顕する阿保なんてないけど? これは哲学という分野よ」 「その阿保面で言われても説得力ないな」  梳けば指一本引っかからなそうな癖のないさらさらの長い金髪の隙間から、鋭い視線が突き刺さる。光の加減で色の変わるその瞳は並ぶ言葉の無いほど綺麗で、女の私よりあの窓辺の可憐な花が似合いそうだ、なんて考えるほどだった。 「人の髪触りながら呆けた顔もするな。もともと酷い顔なのにさらに線が増えるだろ。目尻とかな」 「物思いにふける乙女に向かって言うセリフは言葉を選びなさいね」 「その歳で乙女って、じゃあ本物の乙女のことは幼女って呼べってことか?」 「喧嘩の売り方なんて私は教えてないわよ」
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