西の国のとある屋敷

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 陽の光のように淡く澄んだ髪色を持つこの男がこちら側になることは決してない。あってはならない。  それに種族が変わるということは歴史が変わるということ。そんな大層なことが今回に限って起こるなんて、思うだけ無駄だ。  いくら幼少で魔女に拾われ成人するまで侵食を共にしたとしても。 「わかったら放して」  頬を撫ぜるこの手を振り払うどころか、消してしまうことすら私には簡単なのだから。 「……俺はあんたの本当の歳を知ってる。花屋の娘には23だとか有り得ないことほざいてるのも知ってるけど」 「あらやだ、魔女に本気の喧嘩売るなんて度胸あるわね。いいわ、その喧嘩買った」 「だから俺の寿命があんたの十分の一しかないのも知ってる」 「……」 「でもだからって俺が諦めると思った? あんたを手放すと思った? そんなこと絶対しない」
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