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スリーピーペイン
19世紀末ヨーロッパ、郊外街のはずれにある精神病院。
ここでは様々な精神疾患のある患者を療養している。
私はこの病院の警備員。
最近配属されたばかりだ。
最初の仕事は患者のプロファイルに目を通す事。
どの患者がどういった経緯でここへ来たのかを把握する必要があるらしい。
警備員に必要な事か?と疑問に思ったがまぁいい。
ファイルナンバーNo.30
名前ザック・バミューダ。
性別男
1837年10月生まれ
年齢28歳
町外れの農家で生まれ育ち祖父祖母と暮らす。
両親は彼が幼少期の頃に行方不明。
20歳で結婚。
相手は街中にあるBARのウェイトレス。
名前はルージュ。
21歳で子供を授かる。
名前はジェイク。男の子。
7年間
幸せな生活を送っていたが、突如精神が錯乱し一家全員殺害。
1865年入院。
ーーザック・バミューダの
回想を再生しますーー
突然頭の中でアナウンスされた。
「なんだ?」
白い光に包まれた。
「、、ザック」
「ねぇ、ザック」
ザック?ザック・バミューダ?
「大丈夫?貴方ぼーッとしてたみたいだけど。」
「あ、あぁ」
どういう事だ?
俺がザック・バミューダ?
「パパどうしたの?」
彼は確かジェイクか。
「なんともないよ、ちょっと疲れていただけだ。」
「なぁルージュ、今日は何年だ?」
「え?どうしたの急に?」
「いいから教えてくれ」
「ぇえっと1864年6月よ」
何度も家族から手紙が届いた。
一刻も早くこの場所から抜け出さなくては、、、。
ー3年後ー
3年の月日が経ちやっとの思いで自宅に帰宅。
「家族に会える、、やっとだ、、、」
扉をノックする、反応がない。
もう一度ノックする。
……。
様子がおかしい。
人の気配がしない、、、
出かけているのか?
そっと扉を開く、、鍵は掛かっていない。
「空いている、、、。」
部屋に入るが誰もいない。
「おかしいな、
この時間帯はいつもいるのに、、、。」
リビング、寝室、浴室、トイレ、地下室
全て確認したがどこにもいない、、、。
「どこにいるんだ、、、。」
「あっ」
まだ見ていない場所があった、
キッチンに行っていない。
すぐに向かったが誰もいない。
ダイングテーブルの上には飲みかけの紅茶がある。
「さっきまで誰かいたのか?」
そして紅茶の近くに手紙が置いてある。
「これは、、、?」
開くと「 up 」と書かれていた。
「、、、?」
上を見た。
妻だ。
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